福井県鯖江市は国内唯一のメガネフレーム産地。

実は日本製メガネフレームの約95%が鯖江産地でつくられており、「メガネの聖地」と言われています。鯖江市民の7人に1人はメガネ関連の仕事をしているほど。また、鯖江は世界3大メガネの産地で、世界最高の品質と高い評価も受けています。

世界3大メガネ産地の強み

  • デザイン性・・・イタリア
  • コストパフォーマンス・・・中国
  • 品質・・・日本(福井県鯖江市

 

日本人らしい手先の器用さや、細部までの繊細さが極められた製品が多く、まさにMADE IN JAPANらしい世界に誇れるブランドとも言えるでしょう。


 

鯖江のメガネの特徴

 

theWORK2018_眼鏡

今や世界中の人から愛される鯖江ブランドのメガネ。メタルフレームを作る微細精密加工や温かみのある雰囲気を醸し出すセル磨きの技術は、鯖江ブランドのメガネならではの特徴とも言えるでしょう。

そのほかにも、メガネ自体には次のような特徴もあります。

    • 高い機能性(かけごこち)
    • 細部までこだわったデザインと作りこみ

 

高い機能性(かけごこち)

鯖江のメガネは世界一、高品質で安心安全です。日本人の、人を慮るすばらしいものづくり気質がメガネづくりにもしっかりと受け継がれています。

メガネは、かける人に合わせてフィッティング(調整)を施すことによってベストなメガネになります。メガネフレームとして実はとても重要な調整しやすいための工夫がしっかり入っています。

細部にまでこだわったデザインと作りこみ

鯖江のメガネは裏側から見ても、どこから見ても上質感があります。それだけではなく見えない部分までしっかりデザインされ作り込まれているので装用感もとても上質なのです。

また、1本のメガネを作るためにかかる工程は、メタルフレームで300工程以上、プラスチックフレームで200工程以上。たくさんの工程を産地内で分業するのはもちろん、パーツや工程ごとを専門の職人が担い、産地全体の総合力でより高い品質を実現しています。

着物にぴったりの和風デザインの製品もあり、日本文化をさらに引き立たせてくれるのも鯖江メガネの大きな魅力とも言えるでしょう。


 

鯖江のメガネの歴史

 

鯖江メガネ

鯖江で作られるメガネの歴史を見ていきましょう。

1905年(明治38年)・・・農閑期から始まったメガネづくり

鯖江のメガネ産業の父といわれる増永五左衛門(現・増永眼鏡の創業者)。彼が生まれ育った生野(現・福井市生野町)は山間に位置し、冬になると雪に閉ざされる小さな農村でした。

「そんな生野を豊かにしたい」その一心で村会議員になった五左衛門は、農民たちの農閑期の副業として、当時活字文化の普及から需要の高まりつつあったメガネづくりに着目しました。

そして1905年にはメガネ工場を生野に建造し、大阪からメガネ職人を招き農民へ技術を継承。メガネ生産が本格的に始まることになるのです。

1935年(昭和10年)・・・日本一のめがね産地へ

活字文化の普及と共にめがねの需要も増え、増永工場から始まったメガネづくりは、現在の福井市南部から鯖江市をまたがる地域に広がり、福井県鯖江市はメガネの一大産地となりました。

五左衛門のメガネ工場は技術向上に邁進しつつ、五左衛門の志を受け継ぎ、メガネ作りの技術を習得した多くの若い職人たちが自立し、現在の分業体制で発展する鯖江産地の礎を形成していきました。

1981年(昭和56年)・・・世界初のチタンフレームの開発

鯖江産地は、加工や接合が難しいチタンを材料にしたチタンフレームの製造に世界で初めて成功した地域なのは有名な話。チタン製品は軽くて丈夫だけではなく、人体に触れても金属アレルギーを起こしにくい特徴があります。

しかし加工が非常に難しく、航空機や軍需などにしか使われていませんでした。それが広く一般の人々が使えるよう、鯖江が世界で初めてメガネフレームの開発に成功。

近年では軽くて丈夫で錆びない純チタンの良さをベースに、弾力性を高めてより快適なメガネを作る為のチタン合金の開発など、世界最高水準の技術を有した世界的なメガネ産地と発展し、世界中に届け続けています。


 

鯖江のメガネの製造工程

 

鯖江 メガネ 工程

技術大国、日本。メガネフレームは国内唯一の鯖江産地が担っています。具体的にはハイテク機械を使っての高品質な製品を正確にかつ効率よく作っています。それにメガネ職人たちのこだわりの目と技で、さらにかけ心地の良い上質なメガネに仕上げられています。

また、鯖江のメガネは主に次の2種類の素材を使って製造されています。

    1. メタルフレーム
    2. プラスチックフレーム

 

素材によって製造工程も異なります。それぞれご紹介していきますね。

1.メタルフレーム

    • 軽さ
    • シャープなデザイン
    • 高い弾力性
    • 安定したかけ心地

 

このような特徴のメタルフレームは、約300以上の工程を要して作られます。

金型を使って立体的な形状のヨロイやブリッヂなどのパーツを製造するプレス加工やレーザーによる型抜き、曲げ加工や切削加工など、使用する素材や製法に寄ってバリエーションに富んでいます。

さらに各パーツを「ろう付け」し「磨き」「メッキ処理」など、多くの工程を経てメガネフレームが完成します。

2.プラスチックフレーム

    • 色柄の多様性
    • 加工の容易さ
    • 適度の弾力性

 

このような特徴があるプラスチックフレームは、200以上の加工工程によってつくられています。

プラスチックフレームは、さまざまな色柄のプラスチック板を工作機で切削し、「きさぎかけ」「やすり掛け」「ガラ磨き」「ドロ磨き」などの方法で削り磨いていきます。

同じプラスチックフレームでも、メガネフレームの形に作られた金型にとかした樹脂素材を注入して成形するインジェクションタイプのプラスチックフレームもあります。


 

鯖江のメガネブランド

 

鯖江 メガネブランド

鯖江には47の製造メーカー、500社ほどのメガネ関連事業所があります。今回は、そのうちいくつかの鯖江メガネをご紹介します。

BOSTON CLUB (ボストンクラブ)

BOSTON CLUB (ボストンクラブ)日本の代表的メガネブランド『JAPONISM(ジャポニスム)』を手がける企業が新たに立ち上げたブランド。創業時の社名を冠したブランド名通り、約30年前の図面や型を用いたレトロなデザインが特徴です。

出典:BOSTON CLUB (ボストンクラブ)

乾レンズ「オールタイムサングラス」

オールタイムサングラス

乾レンズが開発したオールタイムのサングラス。その名の通り、朝から晩までメガネ感覚で使用することができるので、使い勝手が抜群。サングラスと言っても、明るさをできるだけ確保しつつ、眩しさをカットしているため、どのような場面でかけていても違和感がありません。

出典:乾レンズ