印刷のことなら安心しておまかせできるクリエイティブカンパニー
ものづくりの産地を支える印刷のプロフェッショナル「サカエマーク」
福井県鯖江市に、ものづくりのまちを支える印刷会社があります。株式会社サカエマークです。シールやパンフレット、説明書、パッケージなどの様々な印刷物の製造を通して、クライアントの販売をサポートしています。本社工場にお邪魔すると、以前住居だった建物を思わせる、どこかほっとする空間が広がっていました。
サカエマークは、以下の印刷を手がける会社です。
・シール印刷
・オフセット印刷
・オンデマンド印刷
それぞれについて簡単に説明します。
シール印刷は、凸版（とつはん）という版を使って、スタンプのようにインキをシール用紙に直接印刷する方法です。色数が少なくロット数の多い印刷に適しており、価格の安さが魅力です。お店のロゴシールや車に貼るステッカー、キラキラしたホログラムシールなど、様々なシールに対応しています。紙に立体感を出すエンボス加工や箔押しなどの特殊加工も可能です。
オフセット印刷は、凹凸のないアルミ版を使用し、インキを「ブランケット」というローラーにいったん転写してから用紙に印刷する方法です。一般的な商業印刷のほとんどがオフセット印刷で、A4以上の大きなシールやチラシ、カレンダー、カタログなどの精細な印刷物に適しています。短時間で鮮明な印刷を大量に行えるのが特徴です。4色の版を出力し、色を刷り重ねることで本来の色を再現します。
オンデマンド印刷は、デジタルデータをパソコンからプリンターに直接出力する印刷方法です。印刷用の版を使用しないため、1部からの少ない部数でもスピーディに印刷できます。店舗用タペストリー、パネルなどの小ロットの印刷に適しています。
上記のシール印刷・オフセット印刷・オンデマンド印刷を1社で手がけている会社は、福井県内にほとんどないそう。印刷物の用途や目的に合わせて最適な印刷方法を選べるのは、サカエマークならではの強み。現在はメガネを代表とする様々なものづくり企業のパッケージやタグ印刷で福井を支え、そして全国からくる印刷の発注にも応えています。
また、サカエマークはデザイン・企画から印刷加工、折り、袋詰めまで、印刷に関わる工程全般を行う「自社内一貫生産体制」をとっています。自社で企画・デザインも手がけるため、デザインが決まっていない段階でも要望をヒアリングし、印刷までの提案が可能です。さらに袋詰めなどの印刷後の細かな作業も引き受けています。印刷に関わる工程をトータルプロデュースすることで、クライアントの売上アップをとことんサポートします。
技術力とチームワークがもたらす高い品質とスピード感
サカエマークの強みは大きく分けて3つあります。
①シール印刷・オフセット印刷・オンデマンド印刷の3本柱でお客さまのニーズに応えます
サカエマークの大きな特徴は、シール印刷・オフセット印刷・オンデマンド印刷を1社で手がけている点です。複数の印刷方法に対応しているため、「枚数が少ないものならオンデマンド印刷」というように、用途や枚数に応じた使い分けができます。印刷物の使用場所や用途、大きさ、印刷の色数、枚数などを打ち合わせし、最適な印刷方法を提案します。
ちなみに、シール印刷ではシール用紙は200種類以上、糊にも複数の種類があるそう。使用場所や用途などを踏まえて最適な素材を提案できるのもサカエマークの強みです。1枚から大量ロットまで生産可能で、箔押し加工などの特殊加工もおまかせください。サカエマークでは、5ミリ角から最大1メートル×80センチまでの大きさのシールを印刷可能です。
②社内デザイナーがお客様のニーズに合ったデザイン・企画を提案
社内にデザインスタッフが3名在籍しているため、デザインが決まっていない段階でも印刷の相談をすることができます。印刷のプロに印刷物のデザインを依頼できるのはとても心強いこと。販売する商品やターゲット、クライアントの好みなどを踏まえてデザインの方向性を考えます。デザインの難易度にもよりますが、初案は1週間以内に提出可能です。
また、社内デザイナーが企画・デザインした個人向け商品をオンラインストアで販売しています。コースターやthank youタグなど、サカエマークならではのユニークな商品がたくさん。ぜひご覧ください。
https://sakaemark.stores.jp/
③デザインから印刷・加工まで自社内で一貫生産
サカエマークの最大の強みといえるのが、自社内一貫生産体制です。デザインが決まっていない0の状態から印刷・加工まで、印刷に関わるすべての工程をお手伝いしています。すべての工程を知り尽くしているからこそ、印刷のトータルパートナーとして安心しておまかせできますね。
自社内一貫生産によるメリットはたくさんあります。印刷に関わる工程を1社に集約することで、全国レベルでたたかえる適正価格を実現し、情報のブレが少なく仕上がりがブレにくいのです。また、納品のスピードにも自信があります。工程数にもよりますが、発注から原則1週間以内に納品（遠方の場合は発送）可能。品質、適正価格、スピードはどれも大切な強みですね。
さらに、注目したいのが高い技術力とチームワークです。印刷物の製造工程において、印刷や断裁のわずかなずれは1ミリ程度であっても大きなずれとなり、商品になりません。さらに、室温の変化ではインキの色が変わってしまうことも。印刷の仕事は、手で用紙を1枚ずつ微調整したり、徹底した室温管理や機械のメンテナンス、インキの色を調整したりなど、どの工程にも高い集中力が求められるのです。一つの印刷物にはたくさんの人の手や、長年培ってきた知識、技術、チームワークが詰まっています。サカエマークでは、チームのメンバーがどの機械にも対応できるように社内教育することで、常に安定した品質・スピード感での印刷を実現しています。
ものづくりの産地で印刷の仕事をするということ
幼少期から印刷とともに生きてきたという、2代目社長の酒井智康さん。現在オフィスと工場になっている本社2階が幼少期の居住空間だったため、物心がついたときからインクとシンナーのにおいが身近にあったといいます。家業を継ぐよう明示されてはいませんでしたが、学生の頃から印刷業界を意識していたのだそう。
「両親の働く姿を見て尊敬していました。印刷という業種ほど0から作り上げられる仕事はないと思います。この業界が好きだったんです」
サカエマークは酒井社長の父の代に創業し、当初はシール印刷を手がける会社としてスタート。メガネにつける商品タグなどの販促品の仕事も手がけるようになり、オフセット印刷との2本柱になりました。酒井社長がサカエマークに入社したのは、大学卒業後、静岡県の印刷会社での修行を経た27歳のとき。1994年のことです。当時はデジタル化が急速に進み、印刷業界が変わろうとしていた時代だったといいます。現場主義的でアナログな方法への限界を感じ、デジタル化に向けて会社を動かしてきました。
15年ほど前に導入したオンデマンド印刷は、今では会社の3本目の柱になりつつあります。また、ネットからの受注にも力を入れたいとサイトのリニューアルも行いました。自社の強みであるシール、タグ、POP、パッケージに特化し、5年前にサイトをリニューアル。形や加工が複雑な印刷に特化することで受注率がアップしたといいます。
「当社は様々な印刷に対応しているので、入り口が広いことが強みだと思っています」
産業観光イベント「RENEW」への参加は、RENEW当日に使う赤丸シールの製造依頼があったのがきっかけ。「面白そうなイベントだと感じましたし、知っているお客さまたちが参加しているイベントで、当社としても地域に関わりたいと思いました」と酒井社長。
RENEWへの参加は、社員教育や社内の環境整備にも繋がったといいます。ふだんお客さまの声を聞く機会がほとんどない製造部門の社員が、RENEWを通してお客さまの生の声を聞けるように。また、社員全員がお客さまを工場に案内できるように社内教育を実施し、工場内をきれいに整備しました。お客さまを迎えるのは励みになるといいます。RENEWへの出展は2022年で4回目。ワークショップや工場見学を実施予定です。
ものづくりの産地との関わりについても聞くことができました。サカエマークのある鯖江市神明（しんめい）地区は、乾（いぬい）レンズ、ボストンクラブ、KISSO（キッソオ）、西村レンズなどメガネに関するショップが密集している地域です。酒井社長は、神明地区全体を観光客が訪れる地域にしたいと考えています。
「当社は地域の企業で成り立っている仕事なので、産地の商品を世に出すお手伝いをしていきたいです。自社として単独で成長するだけでなく、地域の仕事がまわるようなサポーターになれたら」と酒井社長は話します。
サカエマークは今後、新卒採用も積極的に行っていく予定です。現在は20〜70代の社員が働いており、2022年4月には会社として初の県外出身者が新卒で入社しました。これからもますますパワーアップする予感のサカエマークです。
今回の取材時には、社長を始めとして、従業員の皆さんが製造工程を丁寧に説明してくださいました。従業員の皆さんからもチームワークあふれる社風が伝わってきます。RENEWにきた際はぜひ訪れてほしい企業の一つです。
▼会社情報・お問い合わせ先
・企業名：株式会社サカエマーク
・住所：〒916-0019 福井県鯖江市丸山町4丁目1-45
・電話番号：0778-52-2500
・メールアドレス：sakae@sakaemark.co.jp
・サイトURL：https://www.sakaemark.co.jp/
・従業員数：23名
・設立：1972年 昭和47年
・問い合わせ方法：電話またはメール
（文：古川 朋香）
